「滑らないように気をつけてね。」
「うん。。」
「はなちゃん、雪に触ってごらんよ!」
「どんな感じ?」
「うーん。ちょっとつめたくてえ、おもしろい。」
「ちょっと食べてみれば?」
「えー!たべられないよお。」
「そうかなあ、少しくらい食べても大丈夫だよ。」
山々や木々は一面の銀世界。
・・ってほどは積もってなかったんです。やっぱりね。
でも、子供にとっては初めて触る雪だったんです。
朝食をとった後、家族でゲレンデに出て行くと、まだ時期が早いせいか、万座だと
いうのに、それほど混んでいません。
この日のために揃えたミツバチ柄のピンク色のスキーウェアに身を包んで、
手袋とスノーブーツはオレンジ色でそろえて、ゴーグルとフリースの帽子まで被ってます。
もう完全防備ね!(笑)
近所のお友達から借りたソリに子供を乗せて、ゆるいスロープから手をはなすと、
ゆるゆると青いソリが滑り出します。
最初は怖がっていたけど、だんだん楽しくなってきた様子。
大声ではしゃぐほどじゃないけど、なんだか嬉しそう。
さて、そろそろ僕は5年ぶりの滑走を楽しんでこようかな。
「じゃあ、パパは滑ってくるからね!あの大きなブランコみたいのに乗って、戻ってくるよ。」
「うん、いってらしゃーい!」
それにしても、最近の板は短いんだねえ!
持ってくるの大変だからレンタルにしたんだけど、正解だったみたい。
だってさ、僕の板180CMくらいあったと思うんだけど、みんなが履いてるのは
せいぜい170CMくらいしかないんだもん。
持ってきてたら、完全に時代遅れって感じだったね。(苦笑)
ゲレンデは降雪機でかろうじて滑れるようになっている感じです。
ところどころ、枯れた草が雪上から顔を出しています。
さあ、まだ滑れるのかな?
ちょっとおっかなびっくり気味に、斜面へ乗り出します。
エッジがスルスルと音を立てて、雪を捉えだしました。
お!なかなかいいじゃない。
久しぶりでもけっこう滑れるもんだね。
なんて妙に納得しながら、まだ人の少なめな斜面を、のびのびと降りてゆきます。
そして、あっという間にリフト乗り場まで着いちゃった。
距離は短めだね。ちょっと物足りないなあ。。
でもリフト乗り場の待ち時間がほとんどなくていいねえ!
相席しなくてもいいから、一人で空中の景色を楽しみながら乗っていると、
遠くで手を振っている人が見えました。
子供とヨメサンです。僕のウェアーは黄色に肩の部分とパンツがクロで、赤い帽子に
赤い手袋という派手派手なカラーだから、わかるんだね。(笑)
リフトを降りて家族に合流すると、
「パパ、はなえがあのブランコに乗りたいって言ってるよ!」
「え?あれって3歳児でも乗っていいのかな。」
「訊いたんだけど、問題ないって。」
「あ、そう。 はなちゃん、あのブランコにパパと一緒に乗りたい?」
「うん、のりたーい!」
「でもさ、パパと一緒に下まで降りていかないと乗れないよ。大丈夫?」
「えー!こわーい。。」
「じゃあさ、ここでちょっと滑ってみようよ。」
と言うわけで、ゲレンデの脇で子供を抱え、ゆるいスロープをゆっくり滑ってみます。
「どう?おもしろいでしょ。」
「うん、おもろいねえ。」
「そうか!じゃあ、ゆっくり下まで行ってみようか?」
「いーよ。」
「え!ホント!!」
やった!うちの子、臆病でねえ。。普段こういう時に積極的じゃないんですよ。
うれしいけれど、慎重にやらないとね。
だって、もしもコケて雪に突っ込みでもしたら、二度とやらないなんて言うかもしれないし。(苦笑)
ストックを持たずに子供を抱きかかえると、ゲレンデの脇から慎重に滑り出します。
「どう?こわいかな?」
「んーん。だいじょうぶ。おもしろい!」
「そっか!楽しいでしょ?ここで、せーので曲がるからね!」
「うん!」
「いくよー、せーのッ!」
「うひゃひゃ!まがったー。」
「今度はこっちだよ!せーのッ!」
「まがったー!!」
だんだん調子に乗ってきたみたい!うれしそうに声を上げています。
「よーし、もうすぐ終わりだよ。あそこのおうちまで行ったら、ブランコに乗れるからね。」
無事、リフト乗り場まで来ることができると、
「ぱぱぁ、おもしろかったね~。ちょっとだけこわかったけど、はなちゃんだいじょうぶだった。」
「そうだね!がんばったね。じゃあ、一緒にブランコに乗るよ。」
子供を抱きかかえると、ペアリフトのシートに乗せました。
「さあ、出発だよ!」
「はーい。」
「ねえぱぱあ、みんながこんなにちっちゃくなってるよ!」
「そうだよ、高いところにいるからだよ。こわい?」
「んーん。だいじょうぶ、こわくないしぃ、きもちいい。」
「よかったねー。 あ!あっちを見てごらん。 ママが手を振ってるよ!」
「えーッ、どこお?」
「ほら、あの大きなおうちが見えるでしょ?あのおうちの前に立って、手を振ってるのがママだよ。」
「あー!ほんとだあ。みえたあ。」
「ね、じゃあ、ママのところへ行って、ブランコに乗れたことお話してこようか?」
「うん!!」
結局、2回も抱っこしたまま滑りました。(笑)
うちの子にしては上出来です。
楽しい思い出になってくれるといいなあ。