最近、70年代音楽のカテゴリでポストしていなかったですね。
もちろんポストしたかったんですけど、なんか適当に書いて適当な音楽を
紹介するのはいやだなーって勝手に思ってるんですよ。
でも、まとまって音楽を聴いたり、文章に表現するのって
時間や気分的な余裕がないとね。
今日はヒサビサにそんな気分なんで、何か一枚紹介しようかな。
で、ラックからいろいろ候補を探した結果、この一枚にしました。
キャロル・キングが1973年にリリースしたアルバムです。
「Fantasy」っていうアルバムなんですけど、このアルバムは70年代のニューソウル
がお好きな方にはおすすめです。
ちなみに、ニューソウルって、ダニー・ハサウェイやWhat's going on 以降の
マービン・ゲイ、カーティス・メイフィールド、リオン・ウェアなんかを指して言うことが
多いですね。
特に、前述のマービン最高傑作(と僕はやっぱり思ってますが。。)What's going on
がお好きな方は絶対に聴いて損しませんよ。
だって、サウンドコンセプトや、メンバー、アレンジメントがとっても似ているんです。
ここまで読んで、「なんでキャロル・キングがそんな雰囲気のアルバム出したの?」
そう思った方、おっしゃるとおりです。
キャロル・キングといえば、「Tapesty」(つづれおり)があまりにも有名ですし、
ピアノやギター中心の小編成バンドで、ソウルに影響されつつもカントリータッチな
アレンジが持ち味ですからね。
なぜこんなアルバムが?という答えは僕自身知りませんし、音楽評論家でも
レコードコレクターでもない、単なる音楽好きの憶測でお話しますね。
キャロルの楽曲はそれまで、アリサ・フランクリンやドリフターズといった
黒人ミュージシャンにも多く取り上げられていたけれど、自分自身で
黒人音楽にたいして正面からアプローチしたことはなかったと思うんです。
ところが、きっと聴いたはずのこんなアルバムが、大きな影響を与えたんじゃないのかな。
1971年にリリースされたマービンのWhat's goin'g on を聴いて、
同じく1971年にリリースされた、ダニーの「Donny Hathawey」を聴いて、
1972年にリリースされたスティービーの「Talking Book」を聴いて、
こっちの方面に正面からアプローチしてみなくなったんじゃないのかな。
なんとなく、そんな気がしています。
メンバーは、
キーボード:キャロル・キング
ベース:チャールズ・ラーキー(お決まりのメンツです。)
ギター:デイヴィット・T・ウォーカー(サイコーに活躍してます。)
ドラム:ハーヴィー・メイソン(ハマッテます!ジョージ・ベンソンのインフライトと双璧のプレイ)
上記の面子は前作の「Rhymes & Reasons」と同じですけど、
音楽性はかなり違います。ちなみに、ホーン陣も豪華です。
サックス:トム・スコット、アーニー・ワッツ
トランペット:チャック・フィンドレイ
トロンボーン:ジョージ・ボハノン
LAのファーストコールミュージシャンばかり並んでいます。
ブラスやストリングスもキャロル自身のアレンジで効果的に使われていて、素晴らしい
深みというか奥行きをこのアルバムに与えています。
とにかく、この「Fantasy」は1枚が1曲のようなもの。
コンセプトアルバムになっていますから、どれか1曲を細かく描写することはしたくても、
しないほうがいいような気がしています。
夜、ひとりで1時間くらい誰にも邪魔されない時間が手に入ったとき、
1枚を通してゆったりと聴くのが僕の聴き方です。